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「ヴィタリナ」ペドロ・コスタ

ペドロ・コスタとはどうも相性が悪いようだ。『ポルトガル、ここに誕生す ギマランイス歴史地区』というオムニバス映画で、ペドロ・コスタの1974年のカーネーション革命を題材にした「スウィート・エクソシスト」を観たときも眠気に襲われてしまった。そして久しぶりに映画館で映画を観たというのに、またしても不覚にも睡魔に負けてしまったのだ。だから、ここにレビューを書く資格はないので、その程度のものとしてお読みください。

ペドロ・コスタは闇の映像作家だ。徹底した漆黒の闇を演出する。そして計算され尽くした光のライティング、影の演出、映像の構図がなんといっても美しい。その黒い闇に溶け込んだような黒い肌、そして鋭い眼の光。ポルトガルのリスボンにやってきた貧しき移民たちの闇の姿だ。

映画のほとんどが夜、または暗い室内だ。出稼ぎに行った夫を待ち続けたヴィタリナの恨みと哀しみと怒りが映像に満ちている。彼女がやってきたときは、すでに夫は死んでおり、3日前に葬儀を終えていた。死者となってしまった不在の夫が物語の中心である。ヴィタリナは、夫の影を追い求め、移民街をさ迷う。そして語りだす。出入りする扉が何度も映し出される。そして音楽はなく、静寂の中で突然強調される音や声。信仰を失った神父。ヴィタリアの圧倒的な存在感が印象に残る。

最後の方に高台の墓地とヴィタリナが暮らすアフリカのカーボベルデの家が出てくる。夫が建てた思い出の家だ。映画のほとんどが暗くて狭い闇だったので、広がりのある街が見渡せる墓地や、アフリカの家の光がなんとも美しく晴れやかだ。

もう一度観直さなくてはいけない。


2019年製作/130分/ポルトガル
原題:Vitalina Varela
配給:シネマトリックス
監督:ペドロ・コスタ
製作::アベル・ヒベイロ・シャーベス
脚本:ペドロ・コスタ ,ビタリナ・バレラ
撮影:レオナルド・シモンイス
編集:ジュアン・ディアス, ビトル・カルバーリョ
キャスト:ヴィタリナ・バレラ、ベントゥーラ、マヌエル・タバレス・アルメイダ、フランシスコ・ブリト、マリナ・アルベス・ドミンゲス、ニルサ・フォルテス
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

tag : 人生 ドキュメンタリー アート

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ヒデヨシ

Author:ヒデヨシ
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            2、「ホーリー・モーターズ」
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            4、「リアル 完全なる首長竜の日」
            5、「Playback」(2012年)


            2012年映画ベスト10
          <洋画>
          2、「少年と自転車」
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          4、「ライク・サムワン・イン・ラブ」
          5、「きっと ここが帰る場所」
          6、「ドライヴ」
          7、「風にそよぐ草」
          8、「恋のロンドン狂騒曲」
          9、「おとなのけんか」
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        番外
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      2011年映画ベスト10
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2009年映画ベスト10
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    4、あの日、欲望の大地で
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<日本映画>
    1、ディア・ドクター
    2、空気人形
    3、ウルトラミラクルラブストーリー
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    5、ノン子36歳(家事手伝い)
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