「リザとキツネと恋する死者たち」ウッイ・メーサーロシュ・カーロイ

ヘンテコで痛快な映画である。次々と死者が出るオカルト・ファンタジー・コメディとでも言おうか。ハンガリーのブタペストから日本への愛が描かれた。
トニー谷ならぬトミー谷(デビッド・サクライ)という名前の昭和歌謡的な歌手が死神となって現れる。正確には、リザにだけ見えるのだ。その軽妙な日本語の歌と踊りがステキなのだ。恋に恋するリザという少女もまた奇妙な女の子なのだが、なかなかにカワイイ。キュートな映画だ。彼女に恋する男たちが次々と死者となる。リザはこれはキツネに憑りつかれているのだと日本画の博物館のパンフレットを見て思い込む。
CMディレクターだという日本好きの監督が脚本を書いて初監督したという。そのポップな映像センスが小気味いい。フィンランドには、アキ・カウリスマキという日本好きの監督がいるが、どちらかというとこのセンスは、『アメリ』のジャン=ピエール・ジュネに近いかも。あるいは、『グランド・ブタペストホテル』のウェス・アンダーソンのテンポ感とポップさに近いか、それともジャタック・タチ的?。いずれにせよ、僕にはとても楽しめる奇天烈な映画だった。
ちなみに彼女を救うゾルタンは、フィンランド歌謡曲が好きだというのも笑える。
原題:Liza, a rokatunder
製作年:2014年
製作国:ハンガリー
配給:33 BLOCKS
上映時間:98分
監督:ウッイ・メーサーロシュ・カーロイ
脚本:ウッイ・メーサーロシュ・カーロイ、バーリント・ヘゲドゥーシュ
撮影:ペーテル・サトマーリ
音楽:アンブルシュ・テビシュハージ
キャスト:モーニカ・バルシャイ、デビッド・サクライ、サボルチ・ベデ・ファゼカシュ、ガーボル・レビツキ、ピロシュカ・モルナール、ゾルタ
☆☆☆☆☆5
(リ)
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