「北国の帝王」ロバート・アルドリッチ
奇妙な戦う男たちの映画である。1933年大不況のアメリカ、オレゴン。ホーボーと呼ばれる失業者・放浪者たちがいた。彼らは列車にタダ乗りしながら各地を移動していた。そんなホーボーたちの列車のタダ乗りを許さない車掌がいた。鬼車掌のシャック。一方で北国の帝王と呼ばれる名の知れたホーボーがいた。この映画はそんな列車をめぐる車掌とホーボーの一騎打ち、対決の物語だ。
なんだか微笑ましいといえばそれまでだが車掌とホーボーとの男同士の対決と友情の奇妙な関係。鬼車掌のシャックは、ハンマーや鎖を持って列車にタダ乗りするホーボーを見つけては、情け容赦なく殺していたのだ。まさに命懸けの列車のタダ乗り。なぜそれほどまでにホーボーに敵対心を持つのかわからない。目をひん剥いたギョロ目のアーネスト・ボーグナインが凄い迫力。一方、その列車に乗ることを宣言しつつ、タダ乗りを成功させるホーボーたちのヒーローになっているのがリー・マーヴィン。人間的にも魅力があり、余裕もある男だ。その名声を奪おうと一緒に列車に乗り込む若造にキース・キャラダイン。その3人しかほとんど出てこない。まさに男たちだけの戦いの物語。
ロバート・アルドリッチ監督は、戦争ものからスポーツもの、西部劇や暗黒ものなど、徹底して男たちの戦いを描いてきた。戦うアクション、まさに娯楽活劇だ。この映画は、列車の屋根や車輪の下、貨物の中などに隠れる者と見つけ出す者との攻防だけで展開される。そこに人間ドラマを入れ込みながら描く。戦うことの誇りや名誉、相手への敬意、そして人間的な品性までも描いみせる。若い成り上がりを夢見るキース・キャラダインの抜け目合い下品さを描きながら。こんなところに人生を賭けていた男たちがいたというのが、なんだか面白い奇妙な戦いの映画だ。列車は昔から活劇の舞台になり続けてきた。
1973年製作/118分/アメリカ
原題:Emperor of the North (Emperor of the North Pole)
監督:ロバート・アルドリッチ
原案:ジャック・ロンドン
脚本:クリストファー・ノップ
音楽:フランク・デ・ヴォール
キャスト:リー・マーヴィン、アーネスト・ボーグナイン、キース・キャラダイン
☆☆☆☆4
(キ)
なんだか微笑ましいといえばそれまでだが車掌とホーボーとの男同士の対決と友情の奇妙な関係。鬼車掌のシャックは、ハンマーや鎖を持って列車にタダ乗りするホーボーを見つけては、情け容赦なく殺していたのだ。まさに命懸けの列車のタダ乗り。なぜそれほどまでにホーボーに敵対心を持つのかわからない。目をひん剥いたギョロ目のアーネスト・ボーグナインが凄い迫力。一方、その列車に乗ることを宣言しつつ、タダ乗りを成功させるホーボーたちのヒーローになっているのがリー・マーヴィン。人間的にも魅力があり、余裕もある男だ。その名声を奪おうと一緒に列車に乗り込む若造にキース・キャラダイン。その3人しかほとんど出てこない。まさに男たちだけの戦いの物語。
ロバート・アルドリッチ監督は、戦争ものからスポーツもの、西部劇や暗黒ものなど、徹底して男たちの戦いを描いてきた。戦うアクション、まさに娯楽活劇だ。この映画は、列車の屋根や車輪の下、貨物の中などに隠れる者と見つけ出す者との攻防だけで展開される。そこに人間ドラマを入れ込みながら描く。戦うことの誇りや名誉、相手への敬意、そして人間的な品性までも描いみせる。若い成り上がりを夢見るキース・キャラダインの抜け目合い下品さを描きながら。こんなところに人生を賭けていた男たちがいたというのが、なんだか面白い奇妙な戦いの映画だ。列車は昔から活劇の舞台になり続けてきた。
1973年製作/118分/アメリカ
原題:Emperor of the North (Emperor of the North Pole)
監督:ロバート・アルドリッチ
原案:ジャック・ロンドン
脚本:クリストファー・ノップ
音楽:フランク・デ・ヴォール
キャスト:リー・マーヴィン、アーネスト・ボーグナイン、キース・キャラダイン
☆☆☆☆4
(キ)
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