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「まく子」鶴岡慧子

直木賞を獲った後に出した西加奈子の同名小説の映画化である。少年は成長とともに感じる自らの身体的変化に戸惑い、不倫をしている父親への嫌悪もあり、大人になりたくないと思っていた。友達とも距離があり、孤独を好んで、いつも走り、お城がかつてあった小高い山の上に一人でいた。そこへ一人の少女が転校してくる。ちょっと風変わりな少女。
(~これから先は、ネタバレになります~)

その少女は宇宙人だった。時間の変化や死を知らない宇宙人が、星で増えすぎて死を選ぶことができるようになった。時間とともに移り変わる世界、地球に死の観念を学びに来たと言うのだ。移り変わることのせつなさ、限りあるからこその死と再生の物語。毎年、作っては壊す神輿、地元の祭りでの死と再生の物語とともに、変化することの大切さを少年は感じていく。細胞は生まれ変わり、枯葉は舞い、地面に落ちる。変わるからこそ、その瞬間、今が愛おしい。少女と出会い、少女がいなくなることで、少年は多くのことを受け入れ、成長していく。

身のまわりに宇宙人が潜んでいるというテーマは、これまで何度も描かれてきた。最近の映画では、阪本順治監督のオリジナル脚本の『団地』(2016年)が傑作だった。黒沢清監督の『散歩する侵略者』(2017年/劇作家・前田知大の舞台映画化)は、身近に潜む不気味な宇宙人を東出昌大(wowow版 予兆)と松田龍平が好演していた。三島由紀夫の1962年原作の『美しい星』(2017年吉田大八監督)という奇妙な映画もあった。この『まく子』に出てくる宇宙人は、とても平和的・友好的で侵略の意図すらなく、人間たちの気持ちとシンクロし、ファンタジーとして描かれている。

若手の鶴岡慧子監督は、少年と少女をしっかりと演出していた。ダメ父親役の草彅剛も少年との微妙な距離感をうまく演じていた。父が息子のために握るおにぎりのシーンは、湯気が優しくいい感じだった。少女役の新音の今後も楽しみな女優だ。


2019年製作/108分/G/日本
配給:日活
スタッフ・キャスト
監督:鶴岡慧子
原作:西加奈子
脚本:鶴岡慧子
撮影:下川龍一
美術:徐賢先
VFXプロデューサー:赤羽智史
砂絵アニメーション:佐藤美代
音楽:中野弘基
主題歌:高橋優
キャスト:山崎光、新音、須藤理彩、草彅剛、つみきみほ、村上純、橋本淳、内川蓮生、根岸季衣、小倉久寛
☆☆☆3
(マ)
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テーマ : TVで見た映画
ジャンル : 映画

tag : ファンタジー SF 青春 ☆☆☆3

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ヒデヨシ

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オヤジです。
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            <日本映画>
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            2012年映画ベスト10
          <洋画>
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