「太陽が坐る場所」矢崎仁司
高間響子と鈴原今日子。二人の「きょうこ」をめぐる高校生時代の確執。「ツナグ」や直木賞を受賞した「鍵のない夢を見る」などの人気作家・辻村深月の同名ミステリーが原作だ。監督の矢崎仁司は自主映画時代からいろいろ観ていた。とくに「三月のライオン」は好きな映画で、久しぶりに矢崎監督の映画だということで期待して観た。
だけどあまり面白くなかった。辻村深月は読んだことないのでよくわからないが、高校生時代の響子の「太陽」をめぐる抽象的な台詞と体育館の描写。天の岩戸伝説になぞられた体育館の倉庫。皆既日食のメガネ。なんだかいろいろ演出しているんだけど、うまくいっているとは思えない。高校生時代の幼いやり取りでしかない。せつなさも青春の疼きもあまりない。何より水川あさみはうまくない。魅力的にも描かれていない。それは高校生時代の登場人物たちも同じだ。体育館の光だけが懐かしく印象に残った映画だった。
製作年:2014年
製作国:日本
配給:ファントム・フィルム
監督:矢崎仁司
原作:辻村深月
脚本:矢崎仁司
製作:野口英一
企画:中村一政、今村睦
撮影:石井勲
美術:布部雅人
音楽:田中拓人
キャスト:水川あさみ、木村文乃、三浦貴大、森カンナ、鶴見辰吾
☆☆☆3
(タ)
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